2019年07月31日 ニコマコス倫理学 下 ニコマコス倫理学 下巻です。第6巻はわりと難しいのですが、それ以降は比較的明晰な文章が多く、とても読みやすい(訳がいいのか)。英語版も見てみましたが、もしかすると、日本語よりは英語の方がわかりやすいかもしれません。ただし、訳は適切にされていると思います。いつものことながら、光文社文庫のこの表紙、個性的ですよね。もう少しバリエーションがあってもいいような...
2019年07月30日 「存在と時間」入門 ハイデガーの「存在と時間」入門かなり分厚い本で読み応えがありますが、内容もわかりやすくすっと入っていきます。「ハイデガーが何を言いたかったのか」というアプローチについて私は少し違う感想をもっていますが、道しるべとして、このような本がある現代というのは、ありがたい時代です。にもかかわらず、知的な活動について、世間の評価があまり高くなく、昨今大学院に進まれて研究を志しても、経済的に恵まれず、不遇な人生を送られる研究者の状況は、いつか世の中にとっても大きな問題となると考えています。哲学のような基礎学問は、本当に大切なのです。
2019年07月29日 「ハイデガー 存在の歴史」 高田 珠樹 ハイデガーの伝記的な記述が主な本でした。昨日読んだ古東先生とはまた違う趣の本です。個人の伝記に力点が置かれているため、ハイデガーの入門(哲学ではなく)としては、詳細な記述が面白いと感じる方には良い本だと思います。巻末のリフファレンスはよくできていますし、ビブリオテークとして、使えるように思いますので、その意味でも、ハイデガーの入門書としては、最適だと思います。ただし、思想の内容については記述は薄めです。
2019年07月28日 ハイデガー=存在神秘の哲学 古東哲明 古東哲明先生の「ハイデガー=存在神秘の哲学」を読みました。ハイデガーの入門書、解説書としては白眉な著作であると思います。よく哲学は、世間や世界に無関心な学者が、観念的に思索を巡らせていると思われがちですが、哲学はいつも私たちの生活に寄り添い、私たちが行きていく世界の足元を照らしてくれます。地球温暖化、異常気象、世界各地での紛争、飢餓、格差社会、いろんな問題山積のなか、人間の「存在」そのものを考えてみる機会が必要だと思います。
2019年07月27日 ローマ帝国衰亡史6 「ローマ帝国衰亡史」第6巻ユスチニアヌス帝の時代です。一度は西の版図を失ったローマ帝国(ビザンチン帝国)が一時期ユスチニアヌスの時代にイタリア、ローマを奪回する時代です。最終章のローマ法編纂は面白かったです。